I.W.G.Pで一躍名を馳せた著者としては、
こういう性描写の激しい、しかもアブノーマルな物語を取り上げるのはひとつのチャレンジであろう。
主人公はコールボーイとして活躍をする「青年」であり、
その周辺には歪んだ性を持つ者たちが集う。
青年を買う女性たちの気持ち。
様々な対人関係から、一人一人の人間たちを描き出す。
ヘタな青春小説よりも、痛切に人間が感じられる一冊だ。
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逝年 単行本 – 2008/3/26
石田 衣良
(著)
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傑作性愛小説『娼年』その後。
20歳の夏から一年後。娼夫のリョウは、仲間の咲良、アズマと共にボーイズクラブを再開する。クラブのオーナー御堂静香も刑務所から戻ってくるが、エイズを発症していた…。性愛の極みを描く傑作恋愛小説。
20歳の夏から一年後。娼夫のリョウは、仲間の咲良、アズマと共にボーイズクラブを再開する。クラブのオーナー御堂静香も刑務所から戻ってくるが、エイズを発症していた…。性愛の極みを描く傑作恋愛小説。
- 本の長さ208ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2008/3/26
- ISBN-104087712249
- ISBN-13978-4087712247
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2008/3/26)
- 発売日 : 2008/3/26
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 208ページ
- ISBN-10 : 4087712249
- ISBN-13 : 978-4087712247
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,200,376位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 27,752位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEENフォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 5年3組リョウタ組 (ISBN-13: 978-4043854059 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映像化があって、知らなかったので、ぜひ、原作を読もうと集めてみました。
2009年3月30日に日本でレビュー済み
メグミは、リョウのストーカーとして徹底的に悪役でやって欲しかった^^;
あくまでも個人的な感想ですが。
全体としては良かったと思います。
あくまでも個人的な感想ですが。
全体としては良かったと思います。
2008年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
'娼年' はコールボーイとしてさまざまな女性への奉仕を媒介とする成長小説だった.今度は創設者が医療刑務所に収監されて不在の間に,コールボーイクラブを再建し,やがて創設者が死を目前にして復帰するが結局死んでしまう,という暗い設定の続編,恐らくは完結篇である.'娼年' の持っていた優しさと厳しさはここにも受け継がれているのは見事である.話は創設者の死をクライマックスとしてひたすらに進むが,性愛と死がテーマなので '娼年' とは異なった色彩を帯びるのは当然で,成長小説色も薄いのはやむを得ない.これだけネガティヴな要素の上にこれだけ感動的な物語を構築した著者の力量には,敬服のほかない.無条件推薦としたいが,この作品は単独では理解し難い点があるので,減点.あくまでも '娼年' の続編として読まれたい.
2008年7月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「娼年」の続編ですが、趣はまるで違います。
リョウの成長編として期待した向きにはいささか期待外れの一冊です。
作者もデビュー時期の清廉さから進んで難解なメッセージを発信しようと試みているのが
文章の端々にうかがえます。
それはたぶんセックスを媒体としたモノなのでしょうが、この作品はまだ試験段階の域をでていない気がします。
そのためか説明臭さが鼻につきます。
やっていることはまぎれもなく売春なのですから、女性の内面を探るとか
果てはいっぱしのセラピストのような台詞がリョウの口からしばしば語られるのは
いささか興ざめです。
その手の感情は登場人物からまことしやかに語られるものではなく
あくまで読み手が感じるものであると思うからです。
あと手の込んだロケや高価な小物をつかっている割には
すべてのセックス・シーンがあまりにエロッチックでなさすぎます。
リョウが前作ほど魅力的とは思えない。
テクニックと引き換えに手垢がついちゃったのか.....
とくにオーナーとの『最期のセックス』に至っては
状況を差し引いても人体実験をみているような禍々しさに
おもわず飛ばし読みしてしまいました。
「娼年」では母の前での娘(咲良)とのセックスが今回逆になっていて
それもなんだかなぁという感じです。
「娼年」でリョウがエレベーターで客の老女の手を握るシーンがとても好きで感じた私としては、
このセンスのよい作家がいつか「娼年」を上回る上質なエロスを描いてくれることを期待しています。
リョウの成長編として期待した向きにはいささか期待外れの一冊です。
作者もデビュー時期の清廉さから進んで難解なメッセージを発信しようと試みているのが
文章の端々にうかがえます。
それはたぶんセックスを媒体としたモノなのでしょうが、この作品はまだ試験段階の域をでていない気がします。
そのためか説明臭さが鼻につきます。
やっていることはまぎれもなく売春なのですから、女性の内面を探るとか
果てはいっぱしのセラピストのような台詞がリョウの口からしばしば語られるのは
いささか興ざめです。
その手の感情は登場人物からまことしやかに語られるものではなく
あくまで読み手が感じるものであると思うからです。
あと手の込んだロケや高価な小物をつかっている割には
すべてのセックス・シーンがあまりにエロッチックでなさすぎます。
リョウが前作ほど魅力的とは思えない。
テクニックと引き換えに手垢がついちゃったのか.....
とくにオーナーとの『最期のセックス』に至っては
状況を差し引いても人体実験をみているような禍々しさに
おもわず飛ばし読みしてしまいました。
「娼年」では母の前での娘(咲良)とのセックスが今回逆になっていて
それもなんだかなぁという感じです。
「娼年」でリョウがエレベーターで客の老女の手を握るシーンがとても好きで感じた私としては、
このセンスのよい作家がいつか「娼年」を上回る上質なエロスを描いてくれることを期待しています。
2008年4月29日に日本でレビュー済み
5年くらい前だったかに読んだ「娼年」の続編です。
「娼年」は非常に読み応えがありました。コールボーイつまり売春夫という極めて特殊な世界を描くという、キワモノっぽいテーマなのですが、いやらしさとか不潔さとかは全くなく、むしろさわやかで真摯な世界が展開したのに舌を巻いたものです。セックスという人間の根源的な営みに真っ正面から取り組んだ誠実な作品でした。
今度の新作について著者はどこかで「自分の一番大好きな作品に、久しぶりに会い、決着を付けたかった」というような趣旨のコメントをしていたように記憶しています。なるほど。
それにしても「逝年」とはちょっとまた随分なタイトルではないですか。私は最初にこれを見たとき、主人公リョウが、前作から一足飛びに数十年が経過し、晩年を迎えてやがて死に至る物語かと思ってしまいました。「娼年」に対応するのだったら、もっと他の表現があり得たんじゃないだろうか?「凄年」とか。そう、「凄絶」な物語なのです。
実際は、前作のすぐ直後の1年間ほどが描かれるだけです。ナンバーワンコールボーイとしての彼の〈商売〉は環境が変わっても健在で、種々多様な顧客相手に、それぞれに心のこもった奉仕をして癒すという仕事を遂行し続けています。そこにあるのはプロとしての矜持とさえ言えます。「売春=性の商品化」と言ったら、人倫に反した汚れた行為である、というのは世間一般の常識的見方でしょうが、ここで描かれるセックスには上述のように全くそういう色合いは無いのです。むしろ人間が他者の存在を受け入れそして生の真理を追究するスタンスであって、「求道的」でさえあるのです。それは悲劇的な展開の中でより輝きを増します。
私が性描写の場面を読んで興奮でなく涙ぐんだのは、この作品がおそらく初めてでしょう。
おすすめですが、読むならまず「娼年」の方から読んで欲しいですね。
「娼年」は非常に読み応えがありました。コールボーイつまり売春夫という極めて特殊な世界を描くという、キワモノっぽいテーマなのですが、いやらしさとか不潔さとかは全くなく、むしろさわやかで真摯な世界が展開したのに舌を巻いたものです。セックスという人間の根源的な営みに真っ正面から取り組んだ誠実な作品でした。
今度の新作について著者はどこかで「自分の一番大好きな作品に、久しぶりに会い、決着を付けたかった」というような趣旨のコメントをしていたように記憶しています。なるほど。
それにしても「逝年」とはちょっとまた随分なタイトルではないですか。私は最初にこれを見たとき、主人公リョウが、前作から一足飛びに数十年が経過し、晩年を迎えてやがて死に至る物語かと思ってしまいました。「娼年」に対応するのだったら、もっと他の表現があり得たんじゃないだろうか?「凄年」とか。そう、「凄絶」な物語なのです。
実際は、前作のすぐ直後の1年間ほどが描かれるだけです。ナンバーワンコールボーイとしての彼の〈商売〉は環境が変わっても健在で、種々多様な顧客相手に、それぞれに心のこもった奉仕をして癒すという仕事を遂行し続けています。そこにあるのはプロとしての矜持とさえ言えます。「売春=性の商品化」と言ったら、人倫に反した汚れた行為である、というのは世間一般の常識的見方でしょうが、ここで描かれるセックスには上述のように全くそういう色合いは無いのです。むしろ人間が他者の存在を受け入れそして生の真理を追究するスタンスであって、「求道的」でさえあるのです。それは悲劇的な展開の中でより輝きを増します。
私が性描写の場面を読んで興奮でなく涙ぐんだのは、この作品がおそらく初めてでしょう。
おすすめですが、読むならまず「娼年」の方から読んで欲しいですね。
2008年11月24日に日本でレビュー済み
数年前に発表された「娼年」の続編。これだけ年月を経て続きが描かれるのも珍しいのでは?
石田氏はその間、何冊もの新作を上梓しているわけだし。
本作では「娼夫」としての才能を見抜き、その世界に導いてくれた御堂静香の「死」に至るまでの物語が、主人公リョウの成長とともに描かれる。
「娼夫」とは巷で言う「ホスト」とは全く違う。あくまでも女性の欲望に性を交えた形で答える職業。その世界では一流となったリョウが命の焔を閉じようとする静香の性に、全身全霊をこめて答えようとする。
静香の登場は3分の2を過ぎたあたりから。前作を読んでいる読者にとっては核心がなかなか現れず、もどかしい。そしてあまりにあっけなく訪れる静香の「死」。
性に関する欲望だけでなく、もっと彼女の内面の葛藤やあがきを知りたかった。薄っぺらい作品と言う感が否めない。
「娼年」を未読の読者にとってはもっとがっかりしたのではなかろうか?
石田氏はその間、何冊もの新作を上梓しているわけだし。
本作では「娼夫」としての才能を見抜き、その世界に導いてくれた御堂静香の「死」に至るまでの物語が、主人公リョウの成長とともに描かれる。
「娼夫」とは巷で言う「ホスト」とは全く違う。あくまでも女性の欲望に性を交えた形で答える職業。その世界では一流となったリョウが命の焔を閉じようとする静香の性に、全身全霊をこめて答えようとする。
静香の登場は3分の2を過ぎたあたりから。前作を読んでいる読者にとっては核心がなかなか現れず、もどかしい。そしてあまりにあっけなく訪れる静香の「死」。
性に関する欲望だけでなく、もっと彼女の内面の葛藤やあがきを知りたかった。薄っぺらい作品と言う感が否めない。
「娼年」を未読の読者にとってはもっとがっかりしたのではなかろうか?
2008年7月12日に日本でレビュー済み
全ての意味で前作の「娼年」を超える作品ではなかった。
なんだかストーリーが読めてしまう。
著者が石田衣良さんなので辛口の評価にしました。
なんだかストーリーが読めてしまう。
著者が石田衣良さんなので辛口の評価にしました。